②7/16㈬ 19時〜(オンラインのみ)
③8/3㈰ 14時〜(会場&オンライン)
🔳本講座の趣旨
現在パレスチナのガザ地区で起きているジェノサイドは、世界規模での国民国家と形成と植民地主義の展開が重なって展開されたこの200年ほどの近現代史の帰結である。2023年10月7日のガザ蜂起への報復として始まったのでもなければ、イスラエル建国の1948年に始まったものでもない。ヨーロッパで非国民化されたユダヤ教徒を、中東の真ん中、エルサレム擁するパレスチナに入植させてユダヤ人国家にしようという壮大な思想運動として19世紀から展開されてきた「シオニズム」の極限的な段階が「ガザ・ジェノサイド」だ。
この講座では、シオニズム運動が、植民地主義とナショナリズムの一形態としてどのように発生し具体化していったのかを見るとともに、それに対するユダヤ人内部からの、あるいはパレスチナ人からの思想的抵抗を見ていくこととする。というのも、パレスチナ問題は、たんに政治闘争や軍事衝突などではなく、国家形成や民族独立、ナショナル・アイデンティティをめぐる思想的闘争でもあるからである。
🔳各回の日程と概要
第1回:6月15日(日)18時~20時 完全オンライン(後から配信あり)
タイトル:シオニズムの創成期ーーいかに「ユダヤ人国家」という構想が生まれたのか
「ユダヤ人国家」という構想が生まれたのは、実はキリスト教ヨーロッパ圏においてであった。むしろ後からユダヤ教徒たちは、この「ユダヤ人国家」論に乗って、シオニズムを展開していくことになるのだが、そこには国民国家の台頭と反ユダヤ主義の横行が複合的に作用していた。なぜユダヤ教徒も含む市民社会の形成とならなかったのか。シオニズムはユダヤ教とはどう異なるのか。19世紀から第一次世界大戦によってパレスチナがイギリス支配に落ちるまでの歴史と思想を検討する。
第2回:7月16日(水)19時~21時 完全オンライン(後から配信あり)
タイトル:パレスチナの乗っ取りーーいかに「ユダヤ人国家」を実現したのか
第一次世界大戦の最中、崩壊するオスマン帝国下のパレスチナに「ユダヤ人国家」を建設する方針が、イギリスによって示され(バルフォア宣言)、シオニズム運動によるパレスチナの乗っ取りは急速に進む。他方ナチス政権が誕生するドイツでは、ドイツ・ユダヤ人がドイツでの共存を目指すのか、シオニズム運動へと転換するのか、転換するとしても、先住パレスチナ人との関係をどうするのか揺れ動いた。結果1948年にイスラエルが建国されパレスチナ難民を生み出した。ドイツでの共存、パレスチナでの共存はなぜできなかったのか。共存に挫折した思想史を検討する。
第3回:8月3日(日)14時~17時 ハイブリッド開催(オンライン&会場・後から配信あり)
タイトル:大イスラエル主義の行方ーー西岸・ガザはいかに占領され無力化されたか
1967年の第三次中東戦争で、ヨルダン川西岸地区とガザ地区はイスラエルの軍事占領下に置かれた。パレスチナ解放闘争の課題もまたイスラエル国家の存在を前提とした、西岸・ガザ占領地からのイスラエル撤退へと変節してしまった。ユダヤ人のリベラル左派からPLOまでが、占領批判と武力行使批判を焦点とし二国家解決を主張するが、しかし現実は、占領地は入植地だらけになり、隔離壁に囲まれ、検問所で分断されていった。占領批判と和平を訴えるだけでいいのか。占領開始から2023年のガザ蜂起まで、二国家・和平をめぐる思想的対立史を検討する。
★第3回終了後に、「懇親会」を用意しています。
★第3回の参加方法(オンラインor会場)を、確認フォームにてご回答ください。
※会場の詳細は、文末をご覧ください。
【 参加方法と留意事項 】
・参加方法は、第1回と第2回がオンライン配信のみ、
・お申込みされた全ての方が「後から配信」を視聴いただけます。
《 共通の確認・留意事項 》
・お申込みはチケット1枚でお一人の参加・視聴となります。
・関係者以外の方の配信映像の無断撮影・録画・録音行為は禁止です。
・配信用URLや配布資料などの転送、SNSなどネット上への転載は禁止です。
※発覚した際はイベントを中止する事があります。
《 会場参加の確認・留意事項 》
・留意事項をお守りいただけない方、ならびに進行を妨げる方は、主催者側の判断によりご退場いただく場合がございます。
《 オンライン配信の確認・留意事項 》
・配信用URLと資料は、当日の約30分前(第一締め切り後)に、メールにてお送りします。
・配信中に、配信トラブル等やむを得ない事情によりURLを切り替え変更する場合があります。 その場合、変更したURLはメールでお送りしますので、必ずメールを確認出来る状態でお願いします。
・配信中に変更のお知らせメールを確認出来ない方は、必ず事前に主催者側にお知らせください。