★ハイブリット配信・後日録画配信有り★
1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動・学びの場
関東大震災100年に当たり
日本の植民地支配を考える
ー主に金子文子をー
■概 要
1.金子文子の朝鮮体験
ことし2023年は関東大震災の朝鮮人虐殺から100年を迎える。金子文子は、少女期を当時、日本帝国主義の植民地下にあった朝鮮で過ごした。養女候補で父の妹夫婦に引き取られたのであった。そこで文子が目のあたりにしたのは、叔母夫婦(叔母の母すなわち文子にとっては祖母一家)がまぎれもなく「植民者家庭」であったこと。自家の朝鮮人使用人を酷使し、人間以下の扱いをしていたこと、文子がそうした植民者家庭に馴染めず、「養女」失格となり使用人になり、冷たくあしらわれていたことなどが日本植民地下の朝鮮人とまっすぐに向き合えたこと、日本に帰る直前に、1919年の3・1独立運動に遭遇し、強い共感を持てたこと、が、文子の生き方に大きく作用した。
2.植民地朝鮮に対する日本帝国主義の強権政治と苛酷な収奪
1910年、大韓帝国を強制占領した大日本帝国は、朝鮮総督を設置(1906年)し、憲兵政治を行った。人民に対する苛酷な収奪政策である土地調査事業により、貧しさを募らされた人びとは難民となって、日本本土、間島、沿海州などに行き、厳しい生活を強いられた。抵抗するものは残虐な仕打ちがなされた。16年には公娼制度が導入され、朝鮮人の貧しい家の娘たちが犠牲となった。
1919年、朝鮮国王である高宗の死を契機に、朝鮮民衆が立ち上がり、3・1独立運動が展開された。運動は朝鮮全道に及び、無抵抗のキリスト教信者が教会ごと焼き殺され(堤岩里事件)たり、抵抗するものには銃剣などの銃器で殺傷された。リーダーで囚われたものは西大門監獄に入獄させられ、拷問だれた。柳寛順(梨花学童生徒)のように立・横・高さが半間位の狭い地下牢に押し込められ、死去することさえあった。朝鮮の人びとの強固な抵抗精神を直接触れた総督府の政務総監水野錬太郎は刑務局長赤池濃などは内心、恐怖を覚えたであろう。
1923年関東大震災が東京はじめ関東を襲い、多くの被災者を出したが、官憲筋が流した流言蜚語に踊らされた日本の民衆がその流言蜚語(朝鮮人が井戸に毒を流したという類)を疑いもなく信じ込んで朝鮮人を殺傷するという事件が相次いだ。震災後、急ごしらえの自警団に結集する屈強な男たちが婦女子を殺害するというケースもあった。なかには妊婦も含まれ、胎児もろとも殺された、このようにして6000人ともいわれる滞留朝鮮人が殺害された。中国人も500人が殺されたという。日本政府は今日までにこの被害の調査を行ったいないことも銘記したい。時の水野錬太郎内相、警視総監赤池濃が3・1運動の時の記憶が新しく内務省筋から流言蜚語が流された公算もある。
さて、金子文子は23年の関東大震災の折、夫の朴烈とともに「保護検束」の名で検挙され、最終的には「不敬罪」に問われ、死刑宣告を受けた。判事たちから執拗な転向を強要されたが、拒否。そればかりか天皇からの罪一等を軽減する恩赦状(無期)をびりびりと引き裂いた。文子の思想は、自前で考え出した天皇制への分析に基づく天皇制廃絶の思想であり、人間の絶対平等思想であった。反天皇制の峰をつくったともいう文子の天皇制廃絶の思想はいまも新鮮で重点的に見たい。文子は日本と朝鮮との間にあって、朝鮮の女性から愛を教わり、3・1独立運動に共感した。日本社会ではこうした意義を持つ金子文子の存在は忘れ去られている。教科書には勿論、一言の言及もない。
さて、日本の女性運動は、文子と同時代を生きた平塚らいてうや市川房枝に代表されるように「天皇制の枠内」での男女平等であった。いいかえれば帝国のフェミニズムであった。家父長制道徳や儒教的道徳などに反対し反封建の立場に立った。しかし帝国主義や重層差別に無関心であったということは、戦時には容易に戦争協力や翼賛 (天皇) 加担へと転じた。
そうでなかった女性やフェミニストは海外で反戦運動に関与した長谷川テルや石垣綾子らであり、国内においては山川菊栄や宮本百合子らごく少数であった。多くの女性運動家やフェミニストが「天皇制共同体」のなかに絡め捕られていった。この点に関してもし時間が許すなら論求する。
■日程・時間
2023年 3月12日(日)
開始 14:00
■お申込み・締切り
・第一締め切り:2023年3月12日13時30分まで(開始30分前)
※リアルタイムでみることができます
・第二締め切り:2023年3月13日14時00分まで
※あとから配信のみ
■講師プロフィール
鈴木裕子(すずきゆうこ)
1949年東京生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。静岡大学法経短期大学講師をはじめ、明治大学、国士舘大学、東京経済大学、東京学芸大学の各講師。早稲田大学文学部、同国際部、同文学学術院元教員。現在、早稲田大学ジェンダー研究所招聘研究員。前記の著書のほか、日本軍「慰安婦」問題、部落解放女性運動等のほか、『山川菊栄集』全10巻別巻1巻(岩波書店、1981-82年)、『新装増補 山川菊栄集』全8巻別巻1巻(岩波書店、2011-12年)、『山川菊栄評論集』(岩波文庫、1990年)、山川菊栄『女二代の記』(岩波文庫、2014年)校定・注・解説。『天皇家の女たち』(社会評論社、2019年)等。
◆参加方法と留意事項◆
参加方法は、ハイブリット開催(会場・オンライン配信)です。
下記の「確認・留意事項」を必ずご確認いただき、お申込み下さい。
<< 共通の確認・留意事項 >>
・お申込みはチケット1枚でお一人の参加・視聴となります。
・関係者以外の方の配信映像の無断撮影・録画・録音行為は禁止です。
・配信用URLや配布資料などの転送、SNSなどネット上への転載は禁止です。
※発覚した際はイベントを中止する事があります。
<会場参加の確認・留意事項>
1)感染拡大防止のため、会場参加の人数制限をさせて頂きます。
※事前申し込み無く来場されてもご入場は出来ません。ご了承ください。
3)オンライン配信に変更を希望される方は、主催者にメール連絡をお願い致します。
※以上の点、お守りいただけない方、ならびに進行を妨げる方は、主催者側の判断によりご退場いただく場合がございます。
◎会場のご案内◎
<会場>
日本教育会館 703室(住所:千代田区一ツ橋2丁目6−2)
<交通>
東京メトロ・都営地下鉄「神保町」駅 A1出口より徒歩約3分
都営バス 神保町二丁目 バス停より徒歩3分
<オンライン配信の確認・留意事項>
1) 配信用URLと資料は、当日、メールにてお送りします。
2) 配信トラブル等やむを得ない事情により、配信中にURLを切り替え変更する場合があります。
その場合、変更したURLはメールでお送りしますので、必ずメールを確認出来る状態でお願いします。
3) 配信中に変更のお知らせメールを確認出来ない方は、必ず事前に主催者側にお知らせください。
(チラシ)
<問い合わせ>
主催:1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動
運営:一般社団法人東アジアピースアクション
事務局 kantou1923@gmail.com
主催:1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動
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ブログ:https://kantoukioku1923.blogspot.com/
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